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近代史資料No3侵略の定義に関する決議(決議3314XXIX)
採 択:1974年12月14日 国際連合第29回総会 総会は、国際連合の基本的目的の一つが、国際の平和と安全を維持すること、並びに平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため友好な集団的措置をとることであるとの事実に基づき、安全保障理事会が、国際連合憲章第39条に従い、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、並びに国際の平和及び安全を維持し、又は回復するために、勧告をし、又は第41条及び第42条に従つていかなる措置をとるかを決定することを想起し、また、国際紛争を平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない諸国家の憲章上の義務を想起し、この定義のいかなる規定も国際連合の諸機関の任務と権限に関する憲章の規定の範囲に何らかの影響を及ぼすものと解してはならないことに留意し、また、侵略は、あらゆる種類の大量破壊兵器の存在により創出される条件の下においては、世界的紛争及びそのすべての破局的結果の発生の脅威を伴う最も深刻かつ危険な、違法の武力行使の形態であるので、現段階において侵略を定義すべきであることを考慮し、人民からその自決、自由及び独立の権利を奪うため、また領土保全を破壊するために武力を行使してはならない諸国家の義務を再確認し、また、国家の領域は、一時的にせよ他国による憲章違反の軍事占領その他の武力的措置の対象とされることにより、侵されてはならないこと、及びかかる措置又はその威嚇の結果として他国による取得の対象とされてはならないことを再確認し、また、「国際連合憲章に従つた諸国間の友好関係及び協力についての国際法の原則に関する宣言」の諸規定を再確認し、侵略の定義の採択は、潜在的侵略者を抑止する効果を有するであろうこと、侵略行為の決定及びこれを鎮圧するための措置の実施を容易にするであろうこと、さらに犠牲者の権利と合法的利益の保護及び犠牲者に対する援助の供与を容易にするであろうことを確信し、侵略行為が行われたか否かの問題は、個々の事件ごとのあらゆる状況に照らして考慮されなければならないが、それにもかかわらずこの問題の決定のための指針として基本的な原則を定めることが望ましいことを信じて、次の定義を採択する。 第1条 侵略とは、一国による他国の主権、領土保全若しくは政治的独立に対する、又は国際連合憲章と両立しないその他の方法による武力の行使であって、この定義に定められたものをいう。 (注)この定義において「国家」という語は、 a) 承認の問題又は国家が国際連合加盟国であるか否かとは関係なく用いられ、かつ、 b) 適当である場合は、「国家群」という概念を含む。 第2条 国家による憲章違反の武力の先制的行使は、侵略行為のいちおうの証拠を構成する。ただし、安全保障理事会は、憲章に従い、侵略行為が行われたとの決定が他の関連状況(当該行為又はその結果が十分な重大性を有するものではないという事実を 含む。)に照らして正当化されないとの結論を下すことができる。 第3条 次に掲げる行為は、いずれも宣戦布告の有無にかかわりなく、第2条の規定に従うことを条件として、侵略行為とされる。 a) 一国の軍隊による他国の領土に対する侵入若しくは攻撃、一時的なものであってもかかる侵入若しくは攻撃の結果として生じた軍事占領、又は武力の行使による他国の領土の一部若しくは一部の併合 b) 一国の軍隊による他国の領土に対する砲爆撃、又は一国による他国の領土に対する武器の使用 c) 一国の軍隊による他国の港又は沿岸の封鎖 d) 一国の軍隊による他国の陸軍、海軍若しくは空軍又は船隊若しくは航空隊に対する攻撃 e) 受入国との合意に基づきその国の領土内に駐留する軍隊の合意に定められた条件に反する使用、又は合意終了後の右領土内における当該軍隊の駐留の継続 f) 他国の使用に供した国家の領土を、右他国が第三国に対する侵略行為を行うために使用することを許容する当該国家の行為 g) 上記の諸行為に相当する重大性を有する部直行為を他国に対して実行する武装部隊、集団、不正規兵又は傭兵の国家による派遣、若しくは国家のための派遣、又はかかる行為に対する国家の実質的関与 第4条 前条に列挙された行為は網羅的なものではなく、安全保障理事会は憲章の規定に従いその他の行為が侵略を構成すると決定することができる。 第5条 政治的、軍事的又はその他のいかなる性質の事由も侵略を正当化するものではない。 侵略戦争は国際の平和に対する罪である。侵略は国際責任を生じさせる。 侵略の結果としての領土の取得又は特殊の権益は合法的なものでなく、かつ合法的なものとして承認されてはならない。 第6条 この定義中のいかなる規定も、武力の行使が合法的である場合の規定を含めて、憲章の範囲をいかなる意味においても拡大し、また縮小するものと解してはならない。 第7条 この定義中のいかなる規定も、かつとくに第3条は、自決、自由及び独立の権利を強制的に奪われた人民について憲章から導き出され、かつ、「国際連合憲章に従つた諸国間の友好関係及び協力についての国際法の原則に関する宣言」に言及されている、これらの人民の自決、自由及び独立の権利を、いかなる意味でも害するものではない。これらの人民には、植民地体制及び人種差別体制その他の外国支配体制の下にある人民をとくに含む。また、この定義中の規定とくに第3条は、憲章の諸原則に従いかつ上記宣言に従つて同じ目的のために闘争しかつ支援を求め又は受けるこれらの人民の権利を、いかなる意味でも害するものではない。 第8条 上記の諸規定は、その解釈及び適用上、相互に関連するものであり、各規定は、他の規定との関連において解されなければならない。 |
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